DOGLEGS ドッグレッグス 障害者プロレス団体のドキュメンタリー映画
清掃員の仕事をしながら、設立当初から「ドッグレッグス」のスター選手として輝いてきたサンボ慎太郎は、普通の幸せを夢見て引退を考える。しかし、それに立ちふさがる男がいた。団体の設立者、慎太郎の永遠のライバル、そして「20 年間障害者を打ちのめし続けてきた健常者」と言われる北島行徳=アンチテーゼ北島である。
「北島戦を最後に引退したい」という慎太郎に対して、北島は「勝者だけが引退できる」という条件を突きつける。もう一人の「ドッグレッグス」レギュラーで、女装癖のある伝説のレスラー・愛人(ラマン)。彼にはほぼ全面的な麻痺があり、妻=ミセス愛人(ミセスラマン)と息子=プチ愛人(プチラマン)の反対にも関わらず症状を酒でごまかしていたため、重度のアルコール中毒でもある。「ドッグレッグス」のために生き、「俺はリングの上で死ぬんだ」と呟くラマン。そんな彼を見つめるミセスラマンは、彼の意志と彼の命、そのどちらを尊重するのか?そんなラマンを介護する中嶋もがんとうつ病を抱えながらリングに上がるレスラーであった。
引退試合に向け練習を重ねる慎太郎。そんな彼にとってもう一つの大事な戦い<愛の告白>のゴングも打ち鳴らされようとしていた――
障害者プロレス団体「ドッグレッグス」のプロレスラーの生きざまを描いたドキュメンタリー映画。
脳性麻痺を抱えながらプロレスを生きがいにしてるサンボ慎太郎、四肢麻痺でアルコール中毒を抱えながらプロレスに命を懸けるラマン、ラマンの妻や息子、鬱病とガンの闘病しながらもプロレスで戦う中嶋、そして生温い福祉業界に我慢出来ず障害者プロレス団体「ドッグレッグス」を設立した北島など、恋愛や仕事でハンデを抱えながらも障害者プロレスで同じ障害者や健常者とハンデなしでぶつかり合うことで社会的ハンデに負けず言い訳せずに努力してぶつかる強さや自信を持つようになる慎太郎たちの成長や葛藤が、渇いたタッチで描かれていて、「勝負に負けても心意気やハートで負けない生きざま」に単純な勝ち負けで判断される価値観が幅を利かせる世の中で「負けることやみっともない姿を晒すことを恐れて、ガチでぶつかることを恐れていないか?」と観る者に突きつけるヒューマンドキュメンタリー映画。
「本気で向かってこいよ!本気で応えるから!」
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