森喜朗氏の女性差別発言、自民党女性議員連が問題視
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言をめぐり、自民党の議員連盟「女性議員飛躍の会」は2月12日に緊急会合を開いた。出席者からは発言を問題視する声が相次ぎ、「真の男女平等の国」に向けた提言をまとめて二階俊博幹事長に提出する方針を決めた。
「日本が男女の平等は進んでいない国であると世界に発信されてしまい、とても残念だ」。議連で共同代表を務める稲田朋美元防衛相はこう語り、憤りを隠さなかった。会合では「多様性を重んじて真の男女平等の国になることが必要」との認識で一致。会議体への女性参画、各界の女性登用などを盛り込んだ提言を党に提出することを決めた。
稲田氏は会合後の記者ブリーフで、「女性の発言軽視の風潮を変えることが日本をよくする」と強調。森氏が後任として、元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏に要請したことについて、「現時点で透明性があるとは思えない」と異論を挟んだ。
さらに女性議員からは「これまで自然に遠慮していた。女性側も変革していかないといけない」(太田房江氏)、「会議で発言しても議事録にも載らず、黙殺される経験をしてきた」(尾身朝子氏)という声が続いた。
2月3日の森喜朗氏の問題になった女性差別発言は、このような流れであった。
2月3日の臨時評議員会は、「女性理事を40%以上にする」などガバナンス強化の方針を確認しあう場だった。JOCの理事は現在、25人中女性は5人で20%だ。
しかし、最後に挨拶をした森会長の言葉は、スポーツ界が進もうとする方向とは真逆だった。
森会長が女性理事に関する私見を述べ始めたのは、森氏が話し始めてから27分が経ったころ。なお、森会長の話は40分に及んだ。
女性理事を増やそうというJOCの方針に対する個人的な意見として、以下のように述べたという。
「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」
その上で、「結局、あんまりいうと、新聞に書かれますけど、…女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困る。ただ理事会の女性理事はわきまえておられるので、会議が長引かないで助かる。」と続けたという。
JOCは理事25人のうち女性が5人しかおらず、スポーツ庁がまとめた指針に基づいて、女性の割合を40%以上に引き上げることを目標としている。
にもかかわらず、森喜朗氏は女性理事が増えると、会議が無駄に長引いて困るから女性理事の発言を牽制したり、女性理事が増えることに異議を唱えるようなことを言っている。
自民党女性議員連の稲田朋美氏などが、自民党女性議員飛躍の会で発言したように、発言しても議事録に記録されないなど女性議員の発言が黙殺されたり、女性議員の発言を牽制されたり、女性の意見が軽くみられたり牽制されたりすることが様々な場である。
今回の森喜朗氏の問題発言は、社会の中にある男尊女卑的な暗黙の了解を助長することで、許されるものではない。
森喜朗氏は、会長を辞任したが、森喜朗氏の問題発言を「日本社会の本音としてそういう部分もある」と擁護した経団連会長のように、日本社会には女性の社会地位が向上することを苦々しく思う男尊女卑的なものが根深くある。
これが、そういうものを変えるきっかけであって欲しいと思う。
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