スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち 命懸けのスタントに挑むスタントウーマンの素顔に迫るドキュメンタリー映画
ハリウッドではCG技術の発達と共に迫力ある映像に満ちた映画が作られているが、CGでは表現できないアクションシーンをより緻密に表現するため、今でもスタントパフォーマーたちが活躍している。昨今の映画産業の中で、スタントパフォーマーの存在はこれまで以上に重要視されるようになり、アカデミー賞におけるスタント部門の設立などの声も上がっている。
しかしハリウッドでは、1960年代からスタントウーマンが活躍し、男性中心の世界で彼女たちの地位や権利を守るために戦ってきた歴史があった。
本作は、「トゥルーライズ」「ワイルド・スピード」「マトリックス・リローデッド」をはじめとする、映画史に残るアクションシーンを演じてきたスタントウーマンたちの証言を紡いでいく。
いかにして彼女たちは、息を呑むような名シーンの数々を作り上げてきたのか。スタントウーマンの日々の鍛錬の様子や彼女たちの歴史を通して、ハリウッド映画の最前線で活躍するプロフェッショナルたちの姿を映し出す。
「ワイルド・スピード」シリーズなど数々のアクション映画に出演してきたミシェル・ロドリゲスが製作総指揮を務め、また作品のナビゲーターとして、スタントウーマンたちの素顔に迫る。
知られざるスタントウーマンの歴史と奮闘を描いたドキュメンタリー映画。
映画が作られ始めた1910年代は、女性の映画監督やスタントウーマンが映画業界を支えていた。
だが、映画がビジネスとして大きくなると、男性が監督やスタントマンをやるようになり、女性の地位が脅かされ、スタント業界は男社会となった。
テレビシリーズ「ワンダーウーマン」でリンダ・カーターのスタントを手がけ、数々のスタントをこなしスタントウーマンの先駆者となったジーニー・エッパー。
「フォクシー・ブラウン」などでパム・グリアのスタントなどを手がけ、スタント業界での黒人スタントウーマンの地位向上に努め人種差別撤廃に尽力したジェイデイ・デイビッド。
スタントマンが、カツラを被って女性の役のスタントをやる「ウィグリング」を、スタントウーマンの仕事を奪う行為と非難してスタントウーマンの地位保全に尽力したデヴン・マクネア。
「トゥルー・ライズ」などでスタントを手がけ、映画俳優協会の理事として映画の撮影現場でのスタントマンやスタントウーマンの安全保障に尽力したドナ・キーガン。
30年以上のキャリアがあり、アクション監督にも進出したメリッサ・スタップス。
男社会のスタント業界で、スタントウーマンの地位向上に尽力した先人たちの奮闘。
「マトリックス・リローデッド」でキャリー・アン・モスのバイクスタントなどを手がけ、スタント業界で、最高のスタントドライバーとしてスタントマンからもリスペクトされているデビー・エバンズ。
MTVアワードの「ベストファイト」賞を「キャプテン・マーベル」が受賞した時、壇上に立ったブリー・ラーソンが受賞に大きく貢献したと名指しで最大級の賛辞を送ったレネー・マニーメイカーなど、先人の遺産を引き継ぎ、スタントウーマンのポテンシャルを証明し続けるスタントウーマンの功績。
マーベルコミックの映画でスカーレット・ヨハンソンのスタントを手がけたハイディ・マニーメイカーが言うように「女優のスタントを手がける時には、体型や動きがそっくりなだけじゃなく、役に対する内面的な洞察も必要」とか、「スタントウーマンには結婚したり子供を持ったり、ある年齢を超えると、仕事をもらえ難くなるなど制限がある」「男性はスタントウーマンを見下すから自分がどれだけ出来るかを証明しなきゃならない」などスタント業界で奮闘してるスタントウーマンの生々しい証言。
事故などスタントウーマンに付き物の危険を避けるためには、「スタントする時にイヤな予感がしたり、危険を感じたりムリと感じた時には、やらない勇気も必要」。
見えにくいけど、映画の大切な裏方スタントウーマンの仕事を知ることが出来る映画ファン必見のドキュメンタリー映画。
「「君じゃ無理だ」と言われる前にやって見せるの」
Netflixで、配信中。
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