主演 水原希子、さとうほなみ 彼女 明日なきふたりのラブストーリー

漫画家・中村珍氏が女性ふたりの“極限の愛憎”を描いた「羣青」(小学館IKKIコミックス刊)を映画化。
裕福な家庭に生まれ育ち、何不自由ない生活を送ってきたレイ(水原希子)はある日、高校時代に思いを寄せていた七恵(さとうほなみ)から連絡を受け、10年ぶりの再会を果たす。
しかし喜びも束の間、夫からのDVで全身あざだらけな姿を目の当たりにし愕然とする。追い詰められ死を口にする七恵に「それならば夫が消えるべきだ」と諭すレイ。そして「だったら殺してくれる?」と呟く七恵。彼女が生きるためにレイは、七恵の夫を殺す。そして行くあても、戻る場所もないふたりは共に逃避行に出る……。
裕福な家庭に生まれ育ち、同性愛者であることを家族に受け入れられなかったが、七恵に長年片想いしてきたレイ。
貧乏暮らしで両親に殴られて生きてきて、高校も陸上競技の特待生として入学し、抑圧されて頼る人もなく孤独に生きてきた七恵。
水と油のように対照的な生まれ育ちでありながら、人を殺させた女と人を殺した女、共犯者として逃避行を続ける中で「明日がない者同士」としてしか繋がり合い、気持ちを通わせながらも次第に愛し合うようになっていくレイと七恵の心情の変化を、逃避行の中でお互いを曝け出し合い心を通わせる会話シーンの数々と主演の水原希子の提案により導入されたラブシーンを撮影する時に女優のメンタルケアなどをする「インティマシー・コーディネーター」が撮影現場にいることを前提として撮影されたラブシーンを通して、役を超えて強い絆で結ばれた水原希子とさとうほなみのシスターフッドがふたりのシーンに心を通わせたこともあり、丁寧に描かれている。
七恵に片想いしていることを知りつつ、大きな愛でレイを包むレイの恋人の美夏を演じる真木よう子、レイの兄嫁でありながらレイの七恵に対する家族のような愛を理解してレイを後押しするレイの兄嫁を演じる鈴木杏の短いシーンに関わらず、映画の柱になる演技も良いし、チャップリンの「スマイル」やYUIの「チェリー」などキャラクターの心情を雄弁に語る役割をしっかり果たしていて、原作コミックのファンにとっても満足出来るラブストーリー映画に仕上がっている。
Netflixで、配信中。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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