桐島、部活辞めるってよ

いつもと変わらぬ金曜日の放課後、バレー部のキャプテンで成績優秀、誰もがスターとして一目置いていた桐島が突然部活を辞めたというニュースが学校内を駆け巡る。
桐島の恋人でさえ彼と連絡が取れないまま、桐島と密接に関わっていた生徒たちはもちろんありとあらゆる生徒に波紋が広がっていく。人間関係が静かに変化し徐々に緊張感が高まっていく中、桐島とは一番遠い存在だった映画部の前田(神木隆之介)が動き出す……。 
人気作家・朝井リョウのデビュー作にして第22回小説すばる新人賞受賞のベストセラー連作短編集を、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「パーマネント野ばら」の吉田大八監督で映画化した青春群像ドラマ。
主演は「遠くの空に消えた」「劇場版 SPEC~天~」の神木隆之介、共演に「告白」の橋本愛と「女の子ものがたり」の大後寿々花。 
バレーボール部のエース桐島が部活を辞めたという知らせが、文化部、帰宅部、運動部の生徒の現実の残酷な格差を浮き彫りにして、新たな変化をそれぞれにもたらしていく過程を、それぞれの生徒の目線で同じ時間軸を平行して描いていくユニークな演出が秀逸です。
ドキュメンタリータッチの生々しい高校生の日常を、リアルなセリフ「出来る奴は、何でも出来るし、出来ない奴は何にも出来ないってだけだろ」「俺が監督ならあいつらは使わないね。笑ってろ今のうちに」「女って訳わかんね。私も女子だけど」や、本音を巧みに隠しつつ対立を避けるリアルな会話シーンや、片思い、無力な自分に対する苛立ち、生徒間の格差のせめぎ合いなどの鬱屈した学園生活をリアルに描いたストーリー展開が、胸に迫ります。
神木隆之介演じる映画オタクと橋本愛演じる同級生が映画館で偶然出会い心通わせたシーンも、印象的です。
ラストの屋上でのクライマックスは、映画がやるせない現実を吹き飛ばす痛快さがあって、スカッとします。
同じような日常でも少しずつ違う。リアルタイムで高校生の人も、かつて高校生だった人にも、胸が締め付けられる青春映画。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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