さようなら全てのエヴァンゲリオン 庵野秀明の1214日

 人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズで知られる庵野秀明監督が登場するNHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」が、NHK総合で3月22日午後7時半から放送された。さらに、BS1で未公開の映像を加えて再編集した完全版が、4月29日に放映された。
 庵野監督を約4年にわたって独占密着。「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の制作の裏側に迫る。これまで長期取材が決して許されなかった庵野監督の制作現場が明らかになる。
安野モヨコさん、鈴木敏夫プロデューサー、鶴巻和哉監督、樋口真嗣監督、宮崎駿監督らも登場する。3月22日午後7時半~8時45分放送。完全版は、4月29日に放送。
「シン・エヴァンゲリオン」の制作は、2017年8月の熱海合宿から始まった。
庵野秀明のスタイルは、スタッフとの打ち合わせでもスタッフの意見をまず集めて庵野が面白いと思ったことを取捨選択していくことから、始まる。それは、「自分の頭の中では分からないリアリティや自分にないものが作品に欲しいから」。
通常のアニメ制作のセオリーに飽きたらなくなっていた庵野秀明は、あえて絵コンテを描かずに自分が書いた脚本をたたき台に、精巧に作ったミニチュアや俳優にシーンを演じてもらいモーションキャプチャーに取り込み、シーンの流れを絵コンテのように作るプリヴィズをベースに作画を作っていくやり方を選んだ。
だが、肝心の素材を撮るアングルがありきたりのものになり、庵野自らがカメラで写真を撮って、アングルを決めたりしていった。
前半30分のパートのプリヴィズ作りを、演出の1人の鶴巻和哉が任されたが、なかなか上手くいかず庵野自らの手で編集していったが思う通りにいかず、脚本からやり直すというアクシデントが起こった。
難産の末に仕上がった前半30分からアフレコをスタートさせたが、声優のポテンシャルを突き詰める粘りに粘る庵野さんのこだわりで、1つのセリフに何度でもテイクを重ねて、完成させていった。
コロナ禍の緊急事態宣言で作画作業が思うように進まない中で、庵野が自ら作画監督に参加したり最後のパートを納得いくまで仕上げていく作画スタッフやCGのスタッフや声優陣の奮闘、何より「エヴァンゲリオン」の呪縛に縛られ新しい企画を立ち上げようとしても「エヴァンゲリオンのセルフパロディになってしまう」ことに苦しみ「今回こそしっかりエヴァンゲリオンにケリをつける」という決意で寝食をする時間を惜しんで制作に邁進する庵野秀明の決意と献身の中にある「今まで見たことがないのが見たい」というクリエイターの業、テレビアニメ版エヴァンゲリオン放映後には匿名掲示板で誹謗中傷され自死を決意し未遂に終わった時の苦悩、エヴァンゲリオン新劇場版Qの後に庵野が鬱になった時にスタジオ・ジブリの鈴木プロデューサーや宮崎駿から「仕事が一番の薬」と庵野に「風立ちぬ」の主人公の声優をオファーされたり企画を立ち上げたりした秘話、妻の安野モヨコが「私はあなたの側を離れないよ」と庵野を励ました秘話、「欠けているものや人を肯定したい」庵野秀明作品のルーツである事故で片足を無くし社会を恨んでいた父についての秘話など「仕事仲間でも馴れ合わずより良いものを求めて妥協しない作品至上主義」な庵野秀明のパーソナリティ、庵野秀明と苦楽を共にスタッフの心境にまで踏み込んでいて、これを踏まえて「シン・エヴァンゲリオン」を見ると余計に楽しめるスペシャルドキュメンタリー番組。
NHKオンデマンドで、配信。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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