来る。
恋人の香奈(黒木華)との結婚式を終え、幸せな新婚生活を送る田原秀樹(妻夫木聡)の会社に謎の来訪者が現れ、取り次いだ後輩に「知紗さんの件で」との伝言を残していく。知紗とは妊娠した香奈が名づけたばかりの娘の名前で、来訪者がその名を知っていたことに、秀樹は戦慄を覚える。そして来訪者が誰かわからぬまま、取り次いだ後輩が謎の死を遂げる。
それから2年、秀樹の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、不安になった秀樹は知人のオカルトライター野崎(岡田准一)から強い霊感を持つ真琴(小松菜奈)を紹介してもらう。得体の知れぬ強大な力を感じた真琴は、迫り来る謎の存在にカタをつけるため、国内一の霊媒師で真琴の姉・琴子(松たか子)をはじめ、全国から猛者たちを次々と召集するが、そこには「あれ」との壮絶な死闘が待っていた。
澤村伊智のホラー小説「ぼぎわんが、来る」を中島哲也が、映画化。
古来から親や村の都合で口減らしのために殺された子供の怨みの念がこの世に引き寄せ子供を拐いにやってくる最強の悪霊「ぼぎわん」。
御守りやお札じゃ太刀打ち出来ない強力なパワーを持ち、時と場所を選ばず襲う非情さ、声や姿を真似て惑わせ騙す狡猾さを持つタチの悪さは、得体の知れないモンスターの恐ろしさ。
「ぼぎわん」に狙われる秀樹は、育児ブログでイクメンパパぶりを書き散らしているが、実際は奥さんの香奈の育児に協力しない外面だけを繕うペラッペラな男だし、秀樹のペラッペラなイクメンぶりと育児に心を病みゲス不倫に走る香奈、表面上は親身に秀樹の相談に乗るが裏ではとんでもないことをしている秀樹の親友の津田、そして不安定な親たちのせいで寂しさを抱える知紗と、育児ノイローゼと育児放棄が生む子供の寂しさや怨みという現代的な怖さ。
古典的なオカルトホラーと現代的なホラーの融合による新しい切り口のオカルトホラーが新鮮だし、ペラッペラなイクメン秀樹を演じた妻夫木聡や育児ノイローゼで病む香奈を演じた黒木華や最強の霊媒師琴子をクールに演じた松たか子や派手なルックスに合わない情に熱い真琴を演じた小松菜奈の演技が観る者をヒリヒリさせるし、琴子率いる日本中の霊能者vs「ぼぎわん」の壮絶な霊能バトルに背筋が凍る新しいタイプのオカルトホラー映画。
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