ドラゴン・タトゥーの女 天才ハッカーと敏腕記者が連続殺人鬼に挑む

スウェーデンを揺るがせた財界汚職事件の告発記事を書きながらも、名誉棄損で敗訴したミカエル・プルムクヴィスト(ダニエル・クレイグ)。意気消沈の日々を送っていた彼のもとに、ある日、スウェーデン有数の財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリック・ヴァンゲル老人(クリストファー・プラマー)から家族史編纂の依頼が舞い込む。
しかしそれは表向きで、ヘンリックの真の目的は40年前に起きた親族の娘ハリエット失踪事件の真相究明だった。
40年前に一族が住む孤島から何の痕跡も残さずに消えた少女ハリエット。
ヴァンゲルは彼女が一族の誰かに殺害されたと信じていた。
依頼を受けて調査を開始したミカエルは、成功の裏に隠された一族の血塗られた過去に気づいたものの、手掛かりが掴めずにいた。
すると、一族の弁護士から天才的な資料収集能力の持ち主として、ある人物を紹介される。
リスベット・サランデル(ルーニー・マーラ)という名の、顔色が悪くガリガリにやせた女だった。
小柄なリスベットは、肩口から背中にかけて、異彩を放つ龍の刺青が彫られていた。
幼い頃から暴力に曝され、社会や権力そして暴力を振るう男たちに対する憎しみはリスベットを人から遠ざけ、調査会社の同僚からは「変人」または「扱い難い女」とレッテルを貼られていた。
そして意外なことに、彼女はこの事件に異様な関心を示す。
やがて彼女は、ハリエットの日記に記された聖書にまつわる数字が、ロシアの国境付近で未解決のままとなっている連続猟奇殺人事件と関連があることを突き止めるのだが、謎の男にミカエルが狙撃されるなど命の危険にさらされながら捜査していく。
事件に潜むおぞましい真相とは?
「ミレニアム」シリーズ第1作を、映画化。
まず、 リスベットのキャラクターが秀逸です。
パンクロッカーのようなルックスで心を閉ざし無愛想なのに、凄腕のハッカーで優れた記憶力と観察力と推理力を持つ調査員で、暗い過去を抱え、心をめったに開かないコミュニケーションの問題を抱えたアウトロー・ヒロインのリスベットとダニエル・クレイグ演じる敏腕新聞記者ミカエルとで、スウェーデンの大財閥の跡取り娘ハリエットの失踪が関わっている連続殺人事件の忌まわしい真相に辿り着くまでの展開の、ヴァンゲル一族の人間関係や過去やハリエットが残した手掛かりから聖書の記述に基づいた猟奇的連続殺人事件の真相に辿り着くまでが、ナチスや女性蔑視や虐待などが絡む忌まわしい要素を含んだ予想外でスリリングな展開(リスベットを性的虐待によって言うことを聞かせようとする後見人をリスベットが手厳しいお仕置きをする、ハリエットの手帳を手掛かりにした連続殺人事件の謎解き、ヴァンゲル家に潜むナチズムや女性蔑視、ヴァンゲル家の一家の親子間の虐待が殺人事件に関わっているなど)なので、最後まで退屈しません。
敏腕記者ミカエルと天才的ハッカーのリスベットの、生まれ育ちが違っている者同士の調査の中で心を通わせながらも切ないラブストーリーも、素敵ですが切ない後味。
「移民の歌」を使用したオープニングもスタイリッシュな傑作サスペンススリラー映画。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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