幼い依頼人 実際にあった児童虐待事件を元にした社会派サスペンス映画 その1
ロースクールを卒業して出世の道を突き進むはずだったジョンヨプ(イ・ドンフィ)は何度も就職に失敗し、姉の勧めで臨時に児童福祉館に就職する。
ある日、継母ジソク(ユソン)から虐待を受けているダビン(チェ・ミョンビン)とミンジュン(イ・ジュンウォン)姉弟に出会い継母のことなどで相談を聞いたり一緒に遊んだり食事したりするが、児童福祉館の仕事を弁護士になる前の腰掛けくらいにしか考えておらずさほど深刻に考えていなかったジョンヨブは、ダビンにハンバーガー代のお金を渡しまた来るという言葉だけを残して去る。
数日後、ソウルの法律事務所に就職したジョンヨプは、電話を受けダビンの鼓膜が破れたことを知る。 その時も深刻に受け止めなかったジョンヨブは、ダビンにもう来れないと突き放してしまう。
ダビンとミンジュンが、なかなか自分に懐かず、子供がもともと嫌いなジソクは、ダビンが隠していたお金を見て激怒し、ミンジュンとダビンを殴って、ミンジュンを殺してしまう。
弟ミンジュンの死に加え、殺人の被疑者とされたダビンを見て、ミンジュンの死が自分が渡したハンバーガー代にあることを知ったジョンヨブは衝撃を受ける。
何もかも間違った方向に進んでしまったと感じたジョンヨプは、真実を明かすため、ついにダビンの弁護士になることを決心する。
児童福祉館の先輩だったムンジョン(ソ・ジョンヨン)の手助けを借りて、ジソクがダビンやミンジュンを虐待してる証拠を固めて、ジョンヨブはジソクを告訴する。
多発する児童虐待問題に警鐘を鳴らす実録サスペンス。
2013年に慶尚北道漆谷郡にて起こった漆谷(チルゴク)継母児童虐待死亡事件を基に、その被害者の弁護士を中心に信じ難い全貌を描き出す実録サスペンス。
法は守るけど、目の前で犯罪が行われていても見て見ぬふりをするのは悪くないと考えている弁護士志望のジョンヨブは、最初のうちは面倒くさいと思ってるダビンとミンジュン姉弟を表面的に優しくするだけだったが、自分が軽はずみに渡したハンバーガー代でミンジュンが継母ジソクに殺されて、初めてダビンを助けるために、法律事務所の仕事を辞めて、ジソクがダビンとミンジュンを虐待してミンジュンを殺した証拠を集めるために奮闘していく中で、児童福祉館の職員や弁護士をする上で必要な使命感や正義感に目覚めて成長していくジョンヨブの心情の変化、ジョンヨブとダビンの交流、クライマックスの裁判で被告人のジソクが睨みを効かせる中で自分がされた虐待などをダビンが証言することが困難な中でいかにジョンヨブがダビンから証言を引き出すかが、丁寧に描いているため、日本での児童相談所にあたる児童福祉館が虐待の通報があっても証拠や証言がしっかりしていないと警察が家庭に踏み込んだり親権者である親から子供を引き離せないし裁判でも親の殺意を立証が難しく刑が軽い厳しい現実、虐待が起こる家庭の周囲の無関心やことなかれ主義や家父長制の歪みから来る虐待する親の身勝手さや児童虐待の残酷さが、見ていて実感出来る社会派サスペンス映画。
難役のジョンヨブを演じるイ・ドンフィやダビンを演じるチェ・ミョンビンの演技や「黒い家」に引き続き鬼気迫る演技を見せるユソンの怪演が、印象的。
0コメント