ウォッチメン ザック・スナイダー監督が描くもう一つのスーパーヒーローチームの伝説

ジョン・F・ケネディ暗殺事件、ベトナム戦争、キューバ危機など、かつて世界で起きた数々の事件の陰で“ウォッチメン”と呼ばれるスーパーヒーローがいた。
彼らは人々を見守り続けてきたはずであったが、1977年、政府によりその活動を禁止され、ある者は姿を消し、ある者は密かに活動を続けていた…。
1985年。ニクソン大統領が任期を引き延ばし、いまだに政権を握っている時代。アメリカとソ連は一触即発の緊張関係が続き、漠然とした不安感が社会を包んでいた。
ニューヨーク。10月のある夜、高層マンションの一室から、一人の男が落とされ殺された。死体のそばには、血の付いたスマイルバッジがあった。男の名はエドワード・ブレイク(ジェフリー・ディーン・モーガン)。
かつて「コメディアン」という“ウォッチメン”と呼ばれていた男の一人であり、スマイルバッジは彼が胸に着けていたトレードマークだった。
しばらくして事件現場に、薄汚いトレンチコートにフェドーラ帽を被ったロールシャッハ(ジャッキー・アール・ヘイリー)と呼ばれる男が現れる。彼は白黒模様の顔を常に変化させながら、血のスマイルバッジを手に取り見つめていた…。
事件を不審に思った“顔のない男”は独自に捜査を開始、ナイトアウルことダン・ドライバーグ(パトリック・ウィルソン)、オジマンディアスことエイドリアン・ヴェイド(マシュー・グード)といった、かつて“ウォッチメン”と呼ばれた者たちの周辺を嗅ぎまわる。
しかし、事件の捜査を進めれば進めるほど“ウォッチメン”たちが無残にも消されていく。やがて、世界を揺るがした歴史的事件に関わってきた彼らの真実が明らかになるにつれて、想像を絶する巨大な陰謀が動き出すのであった……。
スーパーヒーローが実在する、もうひとつのアメリカ現代史を背景に、真の正義とは、世界の平和とは、人間が存在する意味とは何かを描いた不朽の名作。アメリカン・コミックがたどり着いた頂点がここにある。 
アラン・ムーアの同名グラフィックノベルの映画化。
スーパーヒーローの人間性を描き切った複雑な人間ドラマ(シルクスペクターはスーパーヒロインの母の期待に応えるために2代目シルクスペクターになった、娼婦だった母を憎んでヒーローになったロールシャッハ、アメリカ政府の裏の汚い仕事を引き受けている暴力を生きがいにしているコメディアン、自分のフィギュアを売って富豪になったオジマンディアス、人間の愚かさ野蛮さに嫌気が差したドクター・マンハッタンと自分の気持ちを察しないドクター・マンハッタンに寂しさを感じ自分を愛してくれるナイトアウルに心が傾くシルクスペクターの愛憎関係、核戦争の危機やスーパーヒーロー狩りに怯え引退していたけどロールシャッハの危機をきっかけにスーパーヒーローとして立ち上がるナイトアウルとシルクスペクターの葛藤と決意、世界を救うために途方もない計画を実行するオジマンディアスなどスーパーヒーローの葛藤と決意を骨太に描いた熱い展開など)と激動のアメリカ史の中でそれぞれのスーパーヒーローが何が本当の正義なのか苦悩する骨太なストーリーとアクロバティックな格闘アクションが組み合わさって、アメコミ映画を超えた、映像文学作品であり、衝撃のラストに善悪の観念を揺り動かされるはず。
オープニングのボブ・ディラン「時代は変わる」、サイモン&ガーファンクル「サウンド・オブ・サイレンス」、ナイトアウルとシルクスペクターがヒーロー活動復活を決意するきっかけのシーンで流れるレナード・コーエン「ハレルヤ」など、歌詞がスーパーヒーローの気持ちを代弁しているので、歌詞の意味が分かっていると、より楽しめます。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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