響HIBIKI 破天荒な天才文学少女が文壇を揺るがす!
スマートフォンやSNSの普及により、活字離れが急速に進み、出版不況に陥った文学界。
そこに1人の天才少女が現れる。その名は“響”(平手友梨奈)。
まだ15歳の響の小説は、圧倒的な才能を感じさせるもので、文学の世界に革命をもたらす力を持っていた。
響は、自分の生き方を絶対に曲げず、世間の常識や慣習に囚われて建前で生きる人々のごまかしを許さなかった。
彼女の行動は、文芸部の部長で響のライバルとなる祖父江凛夏(アヤカ・ウィルソン)や響の担当編集者の花村ふみ(北川景子)だけでなく、過去の栄光にすがる有名作家鬼島仁(北村有起哉)やスクープを求める記者矢野(野間口徹)、人生に挫折した売れない小説家山本春平(小栗旬)など、様々な人に計り知れない影響を与え、その価値観を変えていく。
一方、響の執筆した処女作は、日本を代表する文学賞にダブルノミネートされ、一躍時の人となる。しかし、時としてエキセントリックな響の言動は、文壇そして世間との摩擦を生む。怒涛の日々の中で、響が選んだ答えとは?
柳本光晴の同名漫画を映画化。
AKB48グループの中でも異彩を放つ欅坂46。そして欅坂46の中でもアイドルのカテゴリーに収まらない「不動のセンター」平手友犁奈。
ただ小説を読むのも書くことが好きで、作品に対する妥協は自分にも人にも許さないし、自分にどうこう言われることは構わないけど友人や家族に対する害は許さないという「世間の空気は読まないし忖度しないが、人としての筋は守る」という天才、鮎喰響。
世間で幅を利かす「空気を読む」「長いものに巻かれる」「多数に合わせる」ことに対する反発や怒りを歌い上げる象徴である平手友犁奈でしか、響は演じられなかったと言い切れるくらい気負いのない好演は、鋭い目力や強い信念を感じるストレートな言動だけでなく、ライバルで友人の凛夏とのシーンでのナイーブな表情まで完璧。
書くことに妥協しない響と響の才能に嫉妬しながらも認めている凛夏の小説に人生と信念を懸けている者同士の友情とライバル関係、周囲の人々との摩擦や交流の中で響が小説家として覚醒していく成長を軸に、響の言動に価値観を揺るがされ変化していく人々の群像劇、作品の質より話題性を優先したり売れるために修正を入れていく中でテーマを作家が見失ったり文壇や作家活動の隠れた残酷な面を絡めて丁寧に描かれている。
「非難したいなら作品を読んでから非難しなきゃ卑怯」「世間とか人の意見は訊いていない、あなたの意見を訊いているの」など、世間や多数の中に隠れて誹謗中傷したり、長いものに巻かれることに慣れた人の心に突き刺さる響の名言、エンディングに流れる平手友犁奈のソロ曲「角を曲がる」は、心を揺さぶること間違いないエッジの効いた青春映画。
「文句があるなら私にどうぞ」
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