楽園
ある地方都市で起きた幼女失踪事件は、家族と周辺住民に深い影を落とした。
それをきっかけに、知り合った孤独な青年・豪士(綾野剛)と、失踪した少女の親友だった紡(杉咲花)は、不幸な生い立ち、過去に受けた心の傷、それぞれの不遇に共感し合う。
だが、事件から12年後に再び同じY字路で少女が姿を消す。
一方、その場所に程近い集落で暮らす善次郎(佐藤浩市)は、亡くした妻の忘れ形見である愛犬と穏やかな日々を過ごしていたが、ある行き違いから周辺住民といさかいとなり、孤立を深める。
次第に正気を失い、誰もが想像もつかなかった事件を引き起こす。
吉田修一の小説を映画化。
ストーリーは、少女失踪事件と住民殺人事件の謎解きというよりは、具体的な証拠もなく噂話や印象だけで事件の犯人の濡れ衣を着せられたり村八分にされる異物や他所者を排除して集落の秩序を守る日本の田舎特有の同調圧力や妙な団結力や差別のおぞましさ。
そんな田舎の差別意識や村八分の犠牲になる綾野剛や佐藤浩市の鬼気迫る熱演は、切ない。
「スリー・ビルボード」を彷彿とさせるヒューマンサスペンス映画。
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