君の名は
1200年ぶりという彗星の接近が1カ月後に迫ったある日、山深い田舎町糸守に暮らす女子高生の宮水三葉(上白石萌音)は、自分が東京の男子高校生になった夢を見る。
日頃から田舎の小さな町に窮屈し、都会に憧れを抱いていた三葉は、夢の中で念願だった都会を満喫する。
一方、東京で暮らす男子高校生の立花瀧(神木隆之介)も、行ったこともない山奥の町で自分が女子高生になっている奇妙な夢を見ていた。
繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている記憶と時間。 何度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら状況を乗り切っていく。 しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。 入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、会ったことのない三葉に会いに行こうと決心する。 辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた…。
新海誠のアニメは、美しい自然と日常の情景、運命的な出逢いと恋そしてすれ違いが軸になっているけど、今回は夢をきっかけに主人公の瀧と三葉が入れ替わるというシチュエーションを加えることで、突然入れ替わるというシチュエーションに置かれた瀧と三葉や周囲の戸惑いと瀧と三葉が反発しながら心を通わせるラブコメディ要素が増えユーモア多めでした。
入れ替わりが途切れた中盤から、瀧が三葉に会うため飛騨を訪れ、三葉が住んでいた糸守にティアマト彗星の核が分裂した隕石が落下し糸守が消滅したことを知った瀧が三葉を救うために宮水神社に奉納している口噛み酒を飲み、再度三葉と入れ替わり親友と協力して彗星の落下から糸守を救おうと奮闘する青春アドベンチャー的な展開、瀧と三葉がお互いを求め合うピュアな恋(瀧が三葉から貰った組み紐を介したふたりの恋とすれ違いと出逢いと心を通わせる展開がステキ!)が組み合わされて、新海誠のアニメの初心者でも惹き込まれる、大事な人を忘れてしまった切なさと共に側にいる大事な人を抱き締めたくなるいとおしさを呼び起こす新海誠の集大成であり、青春ファンタジー映画の傑作です。RADWIMPSの曲も瀧や三葉の想いを雄弁に物語っていて、「前前前世」や「スパークル」など印象的です。
時間や人の縁は糸のように危ういから、毎日出会う縁や時間や生活や側にいる人を大事にしなきゃと思えるステキな作品でした。
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