愛のむきだし 鬼才・園子温が愛と信仰と罪を問う大河ドラマ

幼い頃に母を亡くし、神父の父テツ(渡部篤郎)と二人暮しのユウ(西島隆弘)、理想の女性“マリア"に巡り合うことを夢見ながら、平和な日々を送っていた。 
しかしテツが奔放な女サオリ(渡辺真紀子)と出会ってから生活が一変。 やがてサオリがテツのもとを去ると、テツはユウに「懺悔」を強要するようになる。 
父との繋がりを保つために不良と付き合い、万引きや喧嘩など悪い事をやりたい放題し、盗撮という罪作りに没頭していくユウ。 
そんな彼はある日、仲間内の罰ゲームで「女囚さそり」の女装している最中に、ついに理想の女性ヨーコ(満島ひかり)と巡り合う・・・。
ヨーコは、ユウにとって義理の妹。だがヨーコは、コイケ(安藤サクラ)たち新興宗教ゼロ教会に狙われていた。 
園子温の代表作「愛のむきだし」の完全版ドラマシリーズ。
聖母マリアのような運命の女性との愛を求めて、牧師の父親への反発から日夜女の子の盗撮に熱中するユウ。
ジョーン・ジェットやパティ・スミスのようなカッコいい女性に憧れ、カート・コバーンとイエス・キリスト以外の男を憎んでいるヨーコ。
キリスト教信者の父親に虐待され、罪を背負っている自分に似たユウに興味を持ち、ユウを手に入れるためヨーコを誘惑するコイケ。
3人の三角関係を軸に、「神とは?」「信仰とは?」「愛とは?」を突きつめた黙示録的なドラマが展開する中で、満島ひかりの華麗なカンフーアクションやヨーコとコイケの濃厚な百合描写やユウとヨーコとテツが煩悩まみれになりながら「本当の愛を知る」キリスト教色の強い王道のラブストーリーに、グイグイ惹きつけられた。
中でも、洗脳されたヨーコを脱洗脳しようとするユウに、ヨーコが「コリントの使徒への手紙13章」を絶叫調でそらんじるシーンは、「本当の愛とは?」「正しいのは信仰か?世間か?」という宗教をテーマにしたストーリーで、かなり鋭くタブーに斬り込んだ名シーン。
「普通を装う人間や家族の変態な歪みを抉るパンクなホームドラマ」や「男たちが入り込む隙がない濃厚な百合系の愛憎劇」など、園子温監督作の定番の荒々しい原石が散りばめられた。「むきだしの純愛」が詰まったラブストーリードラマ。
西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、渡部篤郎、渡辺真紀子の爆発的熱量の演技に、惹きつけられた。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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