私が選ぶシスターフッド映画ベスト10
それは、「マッドマックス怒りのデスロード」から始まった。
「マッドマックス」は、核戦争後の世界を舞台に妻子を暴走族に殺された元警察官マックスが、暴走族に復讐するバイオレンスアクション映画で、その内容から男性ファンが多かった。
だが、「怒りのデスロード」は、公開当初から女性ファンが熱狂的に支持した。
「マッドマックス怒りのデスロード」は、水資源を独占している独裁者イモータン・ジョーに、腹心だった片腕の女将軍フュリオサが反旗を翻しジョーの子を産む道具として飼い殺しにされた女たちを連れて逃亡するのに、ジョーに囚われたマックスが手助けするバイオレンスアクション映画。
実質的な主人公は、シャーリーズ・セロン演じるフュリオサで、囚われている女たちや女たちを助ける「鉄馬の女たち」など多彩な女性が活躍していて、マックスとフュリオサが最後まで相棒関係であることなど、フェミニストの学者をアドバイザーに迎えて、シスターフッドを強調しつつも従来の男性ファンの支持を得る画期的な映画となっている。
もちろん、「マッドマックス怒りのデスロード」以前も、女性同士の友情や共闘をテーマにしたシスターフッド映画は制作されていた。
ドリュー・バリモアが、プロデューサーと主演を兼任した「チャーリーズ・エンジェル」は男性ファンに目配りした部分が多かったが、監督を担当した「ローラーガールズ・ダイアリー」はローラーゲームに打ち込む女たちの友情をメインにしてる。
#MeTooを先駆けたジョディ・フォスター主演の「告発の行方」、アメコミ映画で女性同士の友情をテーマにした「タンクガール」、アメリカ初の女性野球チームの活躍を描いた「プリティリーグ」、修道女のコーラスグループの活躍を描いた「天使にラブ・ソングを」、この当時のシスターフッド映画の代表作「テルマ&ルイーズ」など、様々な作品が作られたがまだまだヒットには遠かったし、シスターフッドに関して作り手も俳優も鈍感だった。
だが、「マッドマックス怒りのデスロード」以降シャーリーズ・セロンは、プロデューサーと主演を兼任した「アトミック・ブロンド」「オールド・カード」「スキャンダル」で高い評価を得て女性が活躍する映画やシスターフッド映画を作り続けている。
アナ・ケンドリックとブレイク・ライブリーの友情とせめぎ合いをテーマにした「シンプル・フェイバー」、アナ・ケンドリックなどのコーラス部の友情をテーマにした「ピッチ・パーフェクト」シリーズ、アメリカ初の有人宇宙飛行の成功に貢献した女性数学者の活躍を描いた「ドリーム」、女性参政権運動家サフラジェットの連帯と友情を描いた「未来を花束にして」、強い女性好きの監督クエンティン・タランティーノがスタントウーマンvsサイコ殺人鬼の死闘を描いた「デスプルーフ」、マーゴット・ロビー主演の「ハーレイ・クインの華麗な覚醒」、ジェニファー・ロペス主演の「ハスラーズ」など、女性をリアルに描きつつ女性同士の友情や連帯を描いた映画がレベルアップし、シャーリーズ・セロンやドリュー・バリモアやクリステン・ウィグやパティ・ジェンキンスなど女性監督や女優の連帯と共闘が著しい。
日本は、「黒い十人の女たち」などヒロイン映画を作った市川崑監督や「GONIN2」「黒の天使」などヒロインアクション映画を作った石井隆監督や土屋アンナと深田恭子の友情を描いた「下妻物語」「告白」などヒロインを主体にした中島哲也監督が、様々なヒロイン映画を作っているが、欧米ほど女性の多彩な描き方が成熟していないし、過渡期にある。
1、マッドマックス怒りのデスロード
2、スキャンダル
3、ドリーム
4、ハスラーズ
5、テルマ&ルイーズ
6、ハーレイ・クインの華麗な覚醒
7、オーシャンズ8
8、オールド・カード
9、デスプルーフ
10、ローラーガールズ・ダイアリー
1、下妻物語
2、GONIN2
3、お嬢さん
4、SRサイタマノラッパー2
5、嫌われ松子の一生
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