ファイト・クラブ あなたの心に革命を起こす最高のカルト映画
不眠症に悩む主人公ぼく(エドワード・ノートン)は、医者の勧めに従って自助グループに参加し、初めて心の安らぎを得て、自助グループに参加することに中毒となる。
同じように心の安らぎを求めて自助グループに参加するマーラ・シンガー(ヘレナ・ボナム・カーター)と知り合い、病気のフリして自助グループに参加している罪悪感から同族嫌悪を感じ突き放すようにするが、なんとなく連絡先を交換する。
出張帰りの飛行機の中でタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)と出会い、出張から帰ったぼくはアパートの部屋が爆破され、途方にくれたぼくはタイラーを呼び出し、部屋に泊めてくれるように頼む。タイラーは、ぼくの頼みを快く承知するが、ある意外なことをぼくに頼む。
「オレを思いっきり殴ってくれ」
タイラーとぼくは、殴り合いの中で解放感と充実感を得て秘密組織ファイト・クラブを結成し、殴り合いの痛みの中で生きる実感を取り戻していくのだが、社会秩序を破壊するためのテロに発展していく。
チャック・パラニュークの小説を、デヴィッド・フィンチャーが、映画化。
見えない格差に阻まれて豊かになれないホワイトカラーやブルーカラーの格差社会に対する忿懣や怒りがテロに暴走していく恐ろしさ、物を手に入れても精神的に満たされず消費者としてマスコミに操られるメディアによって作られた物質文明に対するシニカルな目線、文明社会の中で父というお手本を頼りにすることも出来ず古き良き男らしさを表現出来ず彷徨う男たちの不安を去勢されるイメージを散りばめてダークなコメディとして演出し、社会に対する閉塞感が個人の暴力からテロに暴走していく反社会的な内容に自分の中のもう一人の自分が暴走していくサイコスリラーの要素を組み合わせて、革命的なカルト傑作映画になっている。
エドワード・ノートンの狂気溢れる演技、マッチョなカリスマ性溢れるブラッド・ピット、物語のキーになるヒロインを演じたヘレナ・ボナム・カーターの見事な演技や物質文明に対する反抗的なメッセージが組み合わさって、マッチョになるのでもマスメディアの言いなりの社会の奴隷になるのでもない、マスコミが宣伝するこういうライフスタイルをすれば幸せになれますよというライフスタイル・オブセッションの洗脳から自分を解き放ち自分の殻を壊し、完璧を求めず弱さや欠点を含めたありのままの自分で痛みや苦しみから逃げず全力で生きるという精神的な革命を起こしてくれるカルト傑作映画。
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