シュワルツェネッガー主義 てらさわホーク アーノルド・シュワルツェネッガー完全研究本

世界的ボディビルダーから映画スター、果ては政治家まで、アメリカン・ドリームを体現したアクション・スター、アーノルド・シュワルツェネッガー。 その破天荒な映画、実生活に及ぶまでを完全網羅!
シュワ・ファンならば涙なくしては読めない! アクション映画ファンなら絶対納得!
ものすごい熱狂と愛情をもって書かれた、日本初の本格シュワ研究書!
オーストラリアで生まれ育ち、勉強も運動も優秀な兄ばかりひいきする父親に認められるため、ターザンを演じたジョニー・ワイズミューラーなどのボディビルダー上がりのスターに憧れボディビルディングに熱中した少年時代。
アメリカのボディビルディング界の重鎮ジョー・ウィダーに招かれ渡米してミスター・オリンピア大会で初優勝してから5連覇し俳優に転身。
「コナン・ザ・グレート」「ターミネーター」で鍛え上げた凶暴な肉体がアピールする圧倒的な暴力性と存在感を武器に、「ゴリラ」「コマンドー」などで演じた「鍛え上げた凶暴な肉体に出掛け銃で敵を薙ぎ倒すヒーロー」を演じ、「ツインズ」などで天然で陽気な性格を生かしコメディでも魅力しキャリアを上げていくが、「ラスト・アクション・ヒーロー」の大コケでつまづき、「エクスペンダブルズ」で復帰して巻き返しを量るアーノルド・シュワルツェネッガーの波乱万丈の人生を、「コナン・ザ・グレート」の時のブリジット・ニールセンとの浮気や5人の女性からのセクハラ告発や長年の愛人に対する口止め疑惑や家政婦との愛人関係と隠し子騒動などの女性問題、何度シュワルツェネッガーが否定しても浮上する父親のナチス党員疑惑、シュワルツェネッガーのカリフォルニア州知事時代の環境問題の取り組みや保険制度の見直しなどの意外に民主党寄りな政策など今まで研究してこなかった話題を絡めて研究している。
特に面白いのは、「ラスト・アクション・ヒーロー」が何故失敗したかを、「レディ・プレイヤー1」の脚本家ザック・ペンが書いたオリジナルの脚本をシェーン・ブラックなどの脚本家がリライトする中で本来のアクション映画のパロディやアクション映画好きな主人公がアクション映画の世界で蘊蓄を披露して展開を変えるという展開などが削られ、シュワルツェネッガーが撮影現場で思いつき半分のアイデアを提案してどんどんストーリーが支離滅裂になって失敗作になっていく顛末を描いているところ。もしオリジナルの脚本通り「アクション映画のお約束そのままのヒーローが現実世界からやってきた少年との交流の中で人間性を獲得し、映画を慰めにしている少年が現実の人生を受け入れていく」というストーリーが映画でも描かれていたら、「レディ・プレイヤー1」に先駆けた新しいアクション映画になっていたかもしれないと思える。
その他にも、底抜け大作扱いされている「バトル・ランナー」を「テレビに溢れるリアリティーショー、ソーシャルメディアに袋叩きにされる弱者、弱者が弱者を叩くトランプ大統領時代のアメリカを予見した映画」として、「ターミネーター3」を「ターミネーター」の袋小路の絶望感を復活させた映画として再評価している一方、「トゥルーライズ」でジェームズ・キャメロン監督が描いたヒロイン像に一見強いヒロインを描いてきたジェームズ・キャメロン監督の「夫を支える強き良い妻としての強い女性」を良しとする古い家庭観があること、「ターミネーター2」での殺さないターミネーターは前作でのターミネーターの魅力を削いでいると批判しているのが新しい見方で、もう一回シュワルツェネッガーの映画を再見したくなる。
かつてのライバルで犬猿の仲だったシルヴェスター・スタローンとシュワルツェネッガーが、どのように親友となり「エクスペンダブルズ」シリーズや「大脱出」で競演したかのエピソードも、面白い。
かつてアーノルド・シュワルツェネッガーの映画にはまった人も、今は離れている人もアーノルド・シュワルツェネッガーのアクション映画の面白さを再発見出来るシュワルツェネッガー研究本。 

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

0コメント

  • 1000 / 1000