キングスマン:ゴールデンサークル 最強紳士スパイが過激に悪を撃つ その2
スパイ機関“キングスマン”の拠点が、謎の敵“ゴールデン・サークル”の攻撃により壊滅。残されたのは、一流のエージェントに成長した主人公エグジー(タロン・エガートン)と、教官兼メカ担当のマーリン(マーク・ストロング)の2人だけになってしまう。
敵を追い、同盟を結ぶスパイ機関“ステイツマン”の協力を得るため、アメリカへ向かう2人。
しかし、屈強でやんちゃなエージェント・テキーラ(チャニング・テイタム)や高電圧レーザー投げ縄を操るウィスキー(ペドロ・パスカル)や無骨で豪快なリーダー・シャンパン(ジェフ・ブリッジス)たちステイツマンは、英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは対照的に、表向きはバーボン・ウィスキーの蒸留所を経営するコテコテにアメリカンなチームだった。
さらにエグジーたちの前に、死んだはずのハリー・ハート(コリン・ファース)が現れる。
彼らは文化の違いを乗り越え、50年代懐古厨でサイコ女の美魔女ボビー(ジュリアン・ムーア)が率いるゴールデン・サークルの世界中のドラッグ中毒者を人質にした陰謀を阻止することができるのか……?
マーク・ミラー原作の「キングスマン」のさらにパワーアップした続編。
冒頭のエグジーを狙い襲撃してきた元キングスマン候補生のチャーリーとエグジーのガトリングガンを備えた水陸両用タクシーの中での格闘戦そしてエグジーと敵組織のロンドン市内を疾走するハイスピードのカーチェイス、クライマックスでのエグジーとハリーがボビー一味との壮絶なバトルなど、パワーアップしたアクションの連続は、スリリングでまさに「秒でアガる」アドレナリン全開な興奮を約束する。
前作の致命的な重傷から蘇生したものの記憶喪失に苦しんだり体が本調子じゃないハリーと一人前のスパイになったエグジーの師弟を越えた男の友情の、疑心暗鬼に揺れ動く葛藤と強い絆の熱いドラマが見る者の心を熱くさせる。
パワーアップした仕様のスパイ用アンブレラやマシンガンとミサイルと防弾シールドの機能を備えたスーツケースやガトリングガンを備えた水陸両用タクシーなど、心踊るスパイ用秘密兵器の数々も楽しい。
だが、予告編ではキングスマンとステイツマンが協力してミッションに挑む感じだったのに、結局キングスマンの一人舞台だったり、前作ほどユーモアが足りなかったりが、若干残念。
ボビーが世界中のドラッグ中毒者を人質にした陰謀、ボビーの陰謀を逆手に取ったアメリカ大統領の企みは、終わりなき麻薬戦争に対するブラックな風刺があるのが、ユニーク。
前作ほどではないが、痛快なスパイアクション映画。
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