原作版「風の谷のナウシカ」を読んで改めて思ったこと

極限まで発達した人類文明は「火の7日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こして崩壊した。やがて、地上には瘴気(有毒ガス)が充満する腐海と呼ばれる菌類の森や、腐海の中でのみ生息する獰猛な蟲(むし)からなる新たな生態系が発生し、次第に周囲に広がっていった。
「火の7日間」から1000年余りが経ち、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ、細々と生きていた。
腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアと土鬼(ドルク)の領土紛争に巻き込まれる。
風の谷の族長ジルの娘である風使いの少女ナウシカは、トルメキアの皇女クシャナ率いる部隊に従軍して戦地に赴き、戦乱の中で様々な人達と出会う。
腐海の役割、土鬼とトルメキアの戦争、土鬼の聖都シュワに隠された謎、ナウシカは自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして人類と自然の共生の道を探っていく。 
大ヒットアニメの原作ですが、原作の3巻までしかアニメ化してないため、アニメは原作の世界観や登場人物を描ききれていませんでした。
自然保護だけでなく、主人公ナウシカが世界を知り何を成すべきかを知り成長しながら、生命とは、自分の心の中の葛藤、善と悪、テクノロジーと人間の関係、人間の業、不老長寿、戦争などの哲学的宗教的なテーマが深く描かれていて「指輪物語」に匹敵するファンタジー大作です。
ここで描かれたテーマ、自然と人間との関係、憎しみの連鎖、憎しみの連鎖を絶ちきり乗り越え共に生きてゆこうとする共生への祈り、心の闇である憎しみや恨みを個人や民族を乗り越えて生きてゆこうとすることなどのテーマは、「もののけ姫」でも描かれています。何度も読み返したくなる作品です。
精神的に未熟な少女から命の生命力を信じて、進化していく命のあり方を信じて生きていく聖女としてこの星の運命を生命に託そうとするまでナウシカの成長していく過程、彼女の強さと母性と弱さ、カリスマ的な武将クシャナや剣士ユパや策士クロトワや腐海の秘密を探究する森の人セルムなどの個性豊かなキャラクターが織り成す複雑な心揺さぶる感動的なストーリーが、何度読んでも心を揺さぶられ、生きる勇気がわいてきます。
「どんな惨めな生命であっても、生命はそれ自体の力によって生きている。この星では生命はそれ自体が奇跡なのです」「生きることは変わることだ」「どんな苦しいことがあっても生きねば」「命は闇の中の瞬く光だ」

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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