ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 愛は年齢差などの壁を乗り越えられるか その3
アメリカ国務長官として活躍する才色兼備なシャーロット・フィールド(シャーリーズ・セロン)は、俳優に転職するチェンバース大統領からの全面支援の下で大統領選への出馬を目前に控えていた。
そんなある日、彼女は所属しているブルックリンが大手メディアのウェンブリーに買収され失業したばかりのジャーナリストのフレッド・フラスキー(セス・ローゲン)に、選挙スピーチの原稿作りを依頼。
常に世間から脚光を浴びるシャーロットと行動を共にするなか、12歳からシャーロットに片想いしていたフレッドは高嶺の花と知りつつも恋に落ちてゆく。シャーロットも、自分の強さも弱さも理解して理想を共有出来るフレッドを愛するようになっていく。
見た目はもちろん、性格や立場からみても到底釣り合わない2人。
フレッドには、越えなければならない高いハードルがいくつも待ち受けていた……。
身体を張った潜入調査が得意だけど、ファッションも洗練されていないし不安神経症で頑固なジャーナリストのフレッド。
高校生の頃から、環境保護に熱心で正義感溢れる才色兼備な有力な大統領候補者で国務長官のシャーロット。
フレッドが環境保護サミットや外遊に参加するシャーロットに随行して、一緒にスピーチや政策を考えたり、ふたりが好きなボーイズIIメンやドラマ「ビバリーヒルズ青春白書」や好きな映画を通して意気投合し、フレッドとシャーロットがお互いのことを理解し合い惹かれ合う展開が、フレッドとシャーロットがスピーチ原稿の内容でケンカしたり、ホテルが訪問先の国の反政府軍に攻撃され命からがらフレッドがシャーロットに助けられてサバイバルしたり、パーティの合間に逢瀬を重ねる中で丁寧に描かれていく合間に、シャーロットのクセの強い性癖にフレッドがパニクるなど下ネタを入れながら描かれているので、男女問わず笑えてキュンとする大人のロマンティックコメディ描写が絶妙。
クライマックスのシャーロットの大統領選挙出馬スピーチのシーンからの流れは、シャーロットの大統領選挙のために妥協するのか理想を貫くのか、フレッドがシャーロットのために頑固な姿勢を変えるのか、ふたりの葛藤と決意が上手く織り込まれ、セス・ローゲンとシャーリーズ・セロンの「男も女もカッコつけずに、自分に正直に生きなよ!」というエールが込められていて、ボーイズIIメンの曲や「プリティ・ウーマン」の挿入歌「愛のぬくもり」のロマンティックで上手い使われ方も良い。
ハッパでハイになった状態でシャーロットが、人質になった自国のパイロットの身柄交渉するシーンなど、ロマンティックコメディのイメージがあまりないシャーリーズ・セロンがコメディエンヌの才能を発揮した爽やかな後味のロマンティックコメディ映画で、男女間だけでなく無意識な差別にラブコメディで異議申し立てる社会派コメディ映画。
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