フリー・ガイ モブキャラが世界を救う

ルール無用で悪事を働くことが評価される暴力的な「フリー・シティ」。
「サングラス族」と呼ばれる連中は、街で空を飛んで銃を撃ったりヘリコプターやクルマを破壊して強盗を働いたり、やりたい放題。 
 そんな中、毎日起きて真面目に働き、同じ会話を交わして毎日銀行強盗の被害に遭っても幸せな銀行員のガイ(ライアン・レイノルズ)は、ミステリアスなサングラス族のモロトフ・ガール(ジョディ・カマー)に一目惚れする。
警備員の親友バディ(リル・レル・ハウリー)に「サングラスがないと相手にされないさ」と助言され、彼女を追うために銀行強盗からサングラスを奪って掛けてみると、街中にパラメーターや今まで見えなかったアイテムなどが見えるようになる。
サングラス族はオンラインVRゲーム「フリー・シティ」の中でプレイするプレイヤーたちで、ガイはその世界の中にプログラムされた、機械的な行動しかしないモブ(雑魚)キャラ(ノンプレイヤーキャラクター(NPC))だったのだ。 
しかしガイ自身は自分がリアルな存在であることを信じて疑わず、サングラスによって得た力を使って好き勝手に行動し始める。
それを不審に思った現実世界のゲームの運営会社「スナミ・スタジオ」のプログラマー、キーズ(ジョー・キーリー)とマウサー(ウトカルシュ・アンブドゥカル)は彼をゲームから追放しようとするが、失敗する。 
 一方、キーズとともにゲーム制作をしていたミリーが、モロトフ・ガールの正体だった。
彼女は自分とキーズが作ったゲーム「ライフ・イットセルフ」の骨格コードを「スナミ・スタジオ」の悪徳社長アントワン(タイカ・ワイティティ)に盗用されたと疑い、訴訟に必要な証拠「ミッション56」を入手するために、プレイヤーのモロトフ・ガールとしてゲーム世界内を探査していたのだ。 
彼女はとある隠れ家にその証拠の鍵となる映像があることを突き止め、潜入をうかがう。
すると彼女を尾行していたガイが現れて、協力したいと申し出るが、モロトフ・ガールは「レベル100以上になったら考えても良い」とすげなく返す。 
 それを鵜呑みにしたガイは、翌日からレベルアップのために街のヒーローとして善行を積んで奮闘。最終的にはレベル102までに上がる。
ガイは「ブルーシャツ・ガイ」として、ゲーム世界の中でも現実世界でもすっかり有名人になる。その人気を知ったアントワンは、あえて彼を泳がせる。 
 キーズの助けで隠れ家へ潜入成功したモロトフ・ガールは、「ミッション56」をあと一歩で入手できるというところで武装警備員に囲まれる。
しかしバイクに乗ったガイが救援に駆け付け、証拠入手は叶わなかったが脱出に成功する。 
その後ガイは彼女をデートに誘う。バブルガム味のアイスなど妙に好みの合うガイにモロトフ・ガールはすっかり惹かれ、ファーストキスを捧げて本当の名前「ミリー」をガイに教える。 
 そんな中、現実世界のキーズはガイの素性を掴む。
ガイはキーズが書いたモブキャラのルーティーンAIプログラムから、モロトフ・ガールに恋をしたことによって史上初の成熟する自由意思を持ったAI人工知能に進化したのだ。
しかしこのままでは2日後に発売される続編「フリー・シティ2」への切り替えとともに、彼はゲームシステムごと消滅してしまう。 
 ミリーはガイを救うためにゲーム世界に入り、ガイに彼がゲームのモブキャラプログラムだということを伝えたが、ガイはその事にショックを受け自暴自棄になる。
しかしバディの「俺たちがなんであろうと、俺たちのこの瞬間、この友情はリアルだ」という言葉により立ち直り、ミリーのために二人で再び隠れ家に潜入。
隠れ家の主であるキース(プレイヤー)がガイの大ファンだったので、二人はキースにやたらまとわりつかれつつもあっさり証拠入手に成功する。現実世界でも大人気になったガイのせいで、続編ゲームの予約率が6割も減少してしまう。
激怒したアントワンは、出世に目が眩んだマウサーにゲームシステムを再起動させてガイを初期化してしまうが、ガイはモロトフ・ガール=ミリーの熱いキスによって、再びAIとしての自律記憶を取り戻す。
ガイは水平線の向こう側に「ミッション56」の島の景色が見えることをミリーに教え、同じように自我を持ち始めた他のモブキャラ達を集めてストライキを呼びかける。
そしてゲーム内からモブキャラが消え、驚いた世界のゲーマー達は、ガイ達が進化したAIであることを察知し始める。 
 アントワンはマウサーにゲームの中の建物やモロトフ・ガールなどのキャラを削除させ、ミリーはゲームの中に居られなくなった。
さらにアントワンは続編用にガイをモデルにして作っていた未完成の最強筋肉キャラのデュードを投入し、ミッション56のエリアを目指すガイとバディを攻撃する。
果たしてガイは、ゲームの中の世界を救って、ミリーとキーズはアントワンの犯罪の証拠をつかめるか?
「ゲームのモブキャラがゲームのキャラに恋をして、自分の意思を持つ人工知能として覚醒しゲーム内での世界を救うヒーローになる」というストーリーは、現実がひっくり返る展開は「トルーマン・ショー」「マトリックス」、何者でもない平凡な人間がヒーローになる展開は「マトリックス」、ゲーム内のお約束を逆手に取った展開は「レゴ・ムービー」、現実とゲームが入り混じる展開は「マトリックス」「レディ・プレイヤーワン」を彷彿とさせるものだが、「ゲームのモブキャラがゲーム内での世界のルールを知り、今の自分や役割を超えて自分の意思のために生きる主人公になる」という展開が、クリエイターの作るものに込めるパーソナルな感情というリアル感が見る者を揺さぶるクリエイターの作るものに対する思い入れのリアルさ、自分が世界を知り可能性を広げるワクワク感、ガイとバディそしてキーズとマウサーの友情やキーズとミリーの友情以上恋愛未満の関係を絡めて描かれていて、見ると可能性や世界の広さを知りたくなる痛快なアドベンチャーアクションコメディ映画。
オンラインゲーム「グランド・セフト・フォートナイト」や「ターミネーター」や「ゼイリブ」やマーベル映画などの数々のオマージュもお楽しみ出来る。
「良いだけでなく、最高な日を」

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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