野獣死すべし 松田優作の代表作ハードボイルドアクション映画 その2
ハードボイルド作家大藪春彦の同名小説を1959年の仲代達矢主演作につづき再映画化。
遊戯シリーズのコンビ、村川透監督、松田優作主演。
伊達邦彦(松田優作)は、通信社のカメラマンとして世界各国の戦場を渡り歩き、帰国して退社した今、翻訳の仕事をしている。
普段は落ち着いた優雅な日々を送っているが、戦場で目覚めた野獣の血が潜在しており、また、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳の持ち主であった。
ある日、大学の同窓会に出席した伊達は、その会場でウェイターをしていた真田(鹿賀丈史)に同じ野獣の血を感じ、仲間に入れ、銀行襲撃を企む。
当時同じようなタフガイヒーローを演じるのに飽きていた松田優作は、伊達邦彦を「タクシードライバー」でロバート・デ・ニーロが演じたトラビスと同じように狂気に捕らわれた男として演じたことで、タフガイヒーローを期待した大藪春彦ファンを驚かせた異色ハードボイルド映画です。
最初の刑事から拳銃を奪い賭博所を襲うシーンから、凍りつくような緊張感が充満していて、特に伊達を執拗に追う室田日出男演じる刑事を相手に、リップバンウィンクルの話を聴かせながら、ロシアンルーレットをするシーンは、犯罪という狩りに取り憑かれた伊達邦彦の狂気がよく表現されている名シーンです。鹿賀丈史のぎらついた演技も、見どころです。
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