累 かさね 「教えてあげる。ニセモノが本物を超える瞬間を」
幼い頃より自分の醜い容姿に劣等感を抱いてきた女・累(芳根京子)。
今は亡き伝説の女優・淵透世を母に持ち、母親ゆずりの天才的な演技力を持ちながらも、母とは似ても似つかない容姿に周囲からも孤立して生きてきた。
そんな彼女に母が唯一遺した1本の口紅。それは、キスした相手の<顔>を奪い取ることができる不思議な力を秘めていた―
ある日、累の前に、母を知る一人の男・元舞台演出家の羽生田(浅野忠信)が現れる。
累は羽生田の紹介で、圧倒的な“美"を持つ女・ニナ(土屋太鳳)と出会う。
ニナはその美しい容姿に恵まれながらも、ある秘密を抱え、舞台女優として花開かずにいた。
母ゆずりの“天使的な演技力"を持つ累と、“恵まれた美しさ"を持つニナ。
運命に導かれるように出会い、“美貌"と“才能"という、お互いの欲望が一致した二人は、口紅の力を使って顔を入れ替える決断をする。
累の“演技力"とニナの“美しさ"。どちらも兼ね備えた“完璧な女優"丹沢ニナは、一躍脚光を浴び始め、二人の欲望は満たされていく。
しかし、女優・丹沢ニナの活躍が目覚ましいものとなるにつれ、二人の協力関係が崩れはじめ、嫉妬と欲望にかられた欺き合いへと変貌を遂げる―
同名コミックの映画化。
醜い容貌だけど優れた演技力の累と美しい容貌だけど演技力に劣るニナが、スター女優を目指す中で共犯関係になるが、顔だけでなく女優としての名声を自分のものにする累に嫉妬して累から自分の顔や女優の名声を奪い返そうとするニナと美しい顔も女優としての名声を自分のものにするためにニナを欺き利用する累の愛憎関係と欺き騙し合いを、ニナとニナに化けた累を演じる土屋太鳳と累と累の顔のニナを演じる芳根京子の巧みな演じ分けによる演技合戦とニナと累のお互いに欠けたものを補い合う共犯関係と愛憎関係を軸にして描いていて、土屋太鳳と芳根京子が一皮剥けるキッカケになったのも納得できる女優の業を巧みに描いたサスペンス映画で、クライマックスの「サロメ」は土屋太鳳の熱演とダンスも迫力満点でバックステージものとしても楽しめるサスペンス映画。
「見せてあげる。偽物が本物を超える瞬間を」
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