総理の夫 現実より先に日本初の女性総理が誕生!
よく晴れた日の朝。出張に出かける直前の相馬日和(田中圭)は、最愛の妻=凛子(中谷美紀)から穏やかな笑顔で意味深な言葉をかけられる。
「ねえ、日和くん。もしも私が総理大臣になったら、何かあなたに不都合はある?」
この一言が、日和の平和な日常を一変させる!
裕福なソウマグローバルの御曹司で、鳥類研究所に勤務する“鳥オタク"な日和。
対する凛子は、少数野党・直進党の党首で活躍する政界注目のエースだったが、なんとここにきて日本初の女性総理に就任したのだ。
突然の事態に混乱する日和だったが、内閣広報官の富士宮あやか(貫地谷しほり)から携帯にGPSをつけられ、楽しみの出張が出来ないなど日常生活も徹底的に管理される。
それでも“総理の夫"の自覚が全然ない日和に、凛子の有能な秘書=島崎虎山(工藤阿須加)もあきれ顔。
日和の母親でありソウマグローバルの会長でもある崇子(余 貴美子)や、ソウマグローバルのCEOで日和の兄=多和(片岡愛之助)からも激しくハッパをかけられ、早くも日和はヘロヘロに……。
そんな日和を、職場の後輩=伊藤るい(松井愛莉)は同情の目で見つめていた。
一方の凛子も、毎日働きづめ。
日和の不満と伊藤るいの弱みを利用したトラップを仕掛ける政界のドン=原久郎(岸部一徳)の裏切りにより、ついに衆議院解散を決意。
総選挙へとなだれ込むが、そんな時まさかの事態が2人に襲いかかる――!
原作は山本周五郎賞、新田次郎文学賞受賞作家の原田マハ。
日本初の女性総理&ファーストジェントルマンの誕生というかつてない設定は多くの人の心をつかみ、25万部超えのベストセラー小説へ、今回待望の映画化。
前半部分は、野鳥の研究と最愛の妻・凛子が命の相馬日和が、凛子が女性初の総理大臣となって、野鳥観察が出来る森に囲まれた豪邸から公邸に引っ越し、野鳥観察研究が出来る出張も出来ず、環境がガラリと変わって戸惑う様子をユーモラスに描くコメディ。
環境の変化からくる日和の不満を利用した政敵のハニートラップの発覚から端を発した日和と凛子の二人三脚の選挙戦では、妊娠中のつわりと戦いながらの選挙そして「女性が働きながら、子育て出来る世の中を作りたい」という信念を込めた凛子の熱い選挙演説に、凛子の熱い信念に心動かされる。
凛子の妊娠をきっかけに、究極の選択を迫られる凛子と日和が、お互いの理想を理解し支え合う夫婦愛で、逆境に立ち向かう夫婦愛に泣かされたクライマックス。
女性活躍を応援する凛子を支える広報担当の貫地谷しほりや女性ならではの障壁に苦しむ松井愛莉や凛子を密かに応援する余貴美子を通して描かれる、女性活躍を阻む社会の壁の描き方は浅いけど、田中圭や中谷美紀や貫地谷しほりや余貴美子や岸辺一徳の演技と魅力あるキャラクターのおかげで、古き良きハリウッドスタイルの政治コメディ映画として楽しめた。
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