シン・ウルトラマン

最初の巨大不明生物ゴメスの登場を皮切りに、次々と巨大不明生物【禍威獣(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。
通常兵器が全く役に立たず、限界を迎えた日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室】通称【禍特対(カトクタイ)】を設立。班長に田村君男(西島秀俊)、作戦立案担当官・神永新二(斎藤工)、非粒子物理学者・滝明久(有岡大貴)、汎用生物学者・船縁由美(早見あかり)がメンバーに選ばれ、任務に当たっていた。
電気を捕食する禍威獣ネロンガが出現し、禍特隊と自衛隊が協力してネロンガを倒そうとするが、ネロンガの危機がせまる中、大気圏外から銀色の巨人が突然現れる。
銀色の巨人は、謎の光線でネロンガを撃退する。
銀色の巨人は、通称ウルトラマンと呼ばれるようになる。
その巨人対策のため、禍特対に分析官・浅見弘子(長澤まさみ)が新たに配属され、神永とバディを組むことになる。 
単独行動を好む神永に振り回される浅見だが、人類と融合し巨人化させるベータボックスをエサに人類を懐柔し支配しようとするザラブ星人(声、津田健二郎)やメフィラス星人(山本耕史)の企みを破る中で、神永と浅見は強い信頼関係のバディとなる。
だが、人類が生物兵器として有効であることが銀河系に知れ渡ることを危惧した光の星の使者ゾーフィ(声、山寺宏一)は、銀河系の平和のために人類を滅ぼすためにゼットンを送り込む。
1966年の放送開始以来、今なお根強い人気を誇る、“ウルトラマン”を企画・脚本庵野秀明、監督・樋口真嗣の「シン・ゴジラ」コンビが映画化。
「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」「シン・ウルトラマン」に連なる「シン・ユニバース」の一作。
まず、最初の堝威獣ゴメスの登場から、堝威獣の対処する堝特隊の誕生の成り立ちを、「ウルトラQ」オマージュで描く冒頭から、ウルトラマンがネロンガやザラブ星人たちと戦う戦闘シーンを、「ウルトラマン」の演出を手掛けた実相寺昭雄お得意の画面構図やカメラワークをオマージュしつつ、ザラブ星人やゼットンとのバトルでの空中戦などでの「エヴァンゲリオン」っぽい躍動感あるカメラワークを加えつつ、子供の頃から好きだった「ウルトラマン」をさらに「シン・ゴジラ」のような国家間の策略やマルチバースなどの要素を加えてアップデートした「ウルトラマン」に対する憧れやロマンを凝縮したワクワクする面白みがある。
公安調査庁出身の浅見と単独行動が多い神永が、ザラブ星人やメフィラス星人と戦う中で、人間を理解していく神永と熱血バリキャリな浅見が信頼し合う強いバディの友情以上恋愛未満の関係が「ウルトラセブン」のモロボシダンとアンヌのような感じで萌えた。
クライマックスでのゼットンとの戦いの後、ウルトラマンがゾーフィに語る決意は、「エヴァンゲリオン」などに通底する「人間という愚かだけど可能性のある生物に対する愛」がウルトラマンの人間に対する愛が重なり熱い感動があり、ミステリアスなウルトラマンと神永を演じる斎藤工やクールだけど熱血バリキャリな浅見を演じる長澤まさみや津田健二郎節が冴えるザラブ星人や外資系エリートサラリーマンのような圧を感じるメフィラス星人がハマり過ぎな山本耕史やクールでミステリアスなゾーフィを演じる山寺宏一そしてあるキャラを演じる高橋一生の演技も見応えある、「ウルトラマン」愛に満ちた空想科学浪漫映画。
「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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