ケイコ 目を澄ませて

嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコ(岸井ゆきの)は、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。
再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、ホテルの清掃員をしながらプロボクサーとしてリングに立ち続ける。
母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まっていく。
「一度、お休みしたいです」と書き留めた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、ケイコの心が動き出す。 
聴覚障害と向き合いながら実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルに、彼女の生き方に着想を得て生まれたケイコを、「きみの鳥はうたえる」の三宅唱監督が16mmフィルムに焼き付けた青春物語。
岸井ゆきのが、日本アカデミー主演女優賞作品。
小笠原恵子さんをモデルに、岸井ゆきのさんがケイコを演じたということもあるけど、ほとんどセリフなしの中でナチュラルな表情や鍛え上げた背中など、体全体で日々の生活の中で溜まっていく言葉になりきらない苛立ちややるせなさとボクシングで自分の想いをぶつけて発散している時の喜びを、岸井ゆきのさんが生々しく生き生きと演じる体当たりの演技とボクシングシーンが、ドキュメンタリーのように生々しい。
ケイコが、通うジムの会長の三浦友和さんの、闘病しながらもケイコの才能と器量に惚れ込み夢を託すサイドストーリーが、ケイコのストーリーとシンクロして音楽を最小限にしたドキュメンタリーチックな演出がより熱く心を動かす青春映画。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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