DEVILMAN crybaby 永井豪の傑作漫画を鬼才・湯浅政明が大胆にアニメ化

不動明は親友の飛鳥了から、悪魔が世界中にはびこっていると聞き、多くの人間が悪魔に取り憑かれたというサバトなる悪徳が蔓延するパーティーに潜入する。
客の多くが悪魔に喰い殺される中、不動明は悪魔族の英雄アモンに取り憑かれ、悪魔の肉体を持ちながら人間の心を失わない「デビルマン」として覚醒する。
こうしてデビルマン不動明と飛鳥了の、悪魔族との対決が始まった。
「新世紀エヴァンゲリオン」や「ベルセルク」など様々な作品に影響を与えた永井豪の伝説的傑作コミック「デビルマン」を、鬼才湯浅政明が完全アニメ化。
ストーリー展開は原作コミックに驚くほど忠実だが、不動明や明の幼なじみの牧村美樹やミーコが陸上部だったり、ミーコが原作コミックと違い単なる不良娘ではなく美樹にライバル意識と友情と憧れを抱いている複雑なキャラクターにしたり、牧村美樹が原作コミックと違いハーフでそれが原因でいじめられていたこと、飛鳥了が頭は良いけど人間の感情の機微に疎いというキャラクター設定など細かな現代的なアレンジが、原作コミックのテーマ「人間とは?」「悪魔とは?」「愛とは?」をしっかり描くことに効果的になっている。
特に、瀕死の猫のために泣く不動明の感情を理解出来ない飛鳥了が、最終的に不動明の感情を「涙」の意味を理解すること、不動明と牧村美樹とミーコがリレーのメンバーであること、泣き虫な不動明と誰よりもピュアで愛情深くとことん人間の善の部分を信じている牧村美樹との不動明の戦う理由になっている強い絆、人間を守るために悪魔と戦い犠牲を抑えたいと思う不動明と悪魔との対決に勝利するためには犠牲はしょうがないと考える飛鳥了の友情と確執を、軸にしているのがよりエモーショナルに見る者の感情を揺さぶる。
クライマックスの、魔女狩りからアーマゲドンに雪崩れ込む人間が疑心暗鬼になって破滅していくのに重要な役割を果たしているのが、「ネット炎上」やネットでのヘイトスピーチなどネット社会でのリンチが現実に影響を与えたというのが、現代的なアレンジでより怖さが増している。
無茶苦茶な悪徳パーティーのサバトやデビルマンとシレーヌの愛欲シーンやデビルマン不動明などデーモンと合体した人間のリビドーの赤裸々なセクシャルな描写、奔放でサイケデリックなアニメーション表現、デビルマンとデーモン族とのバトルシーンでの五体が引きちぎられるハードなバイオレンス描写にも注目。電気グルーヴや牛尾憲輔などのテクノミュージックとヒップホップが、世紀末の雰囲気を醸し出す。
「DEVILMAN crybaby」は、Netflixで配信中。
「愛などない、悲しみもない、そう思っていた」

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

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