相模原市人権施策審が悪質なヘイトスピーチに対し罰則規定を人権条例答申案に加えることを決定

 ヘイトスピーチ規制を含む人権条例について審議する相模原市人権施策審議会は15日、著しく不当な差別的言動(ヘイトスピーチ)と悪質な犯罪扇動を規制するため、罰則規定を答申案に盛り込むことを全会一致で決めた。 
答申案には二つのパターンを併記する。
 一つは、規制の対象範囲を「人種、民族、国籍、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、障害、疾病、出身を理由とする差別的言動」と幅広く設定し、これらに関する差別的言動(侮辱、排除、犯罪扇動)が行われた場合、行為を行った人物・団体の氏名を公表する。 
その上で「人種、民族、国籍、障害」を事由とした著しく悪質なヘイトスピーチ、犯罪扇動については(1)秩序罰(5万円以下の過料)を科す(2)秩序罰または行政刑罰(2年以下の懲役または禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料、没収)を科す。 
もう一つは、対象範囲を「人種、民族、国籍、障害」を事由としたヘイトスピーチと狭く設定し、こうした行為を行った人物・団体の氏名を公表する。
その中でも特に悪質なものについては(1)秩序罰を科す(2)秩序罰または行政刑罰を科す。どちらのパターンにおいても答申案では「罰則については(1)と(2)を両論併記する」「罰則の適用は2~3年程度凍結することもあり得る」としている。最終的に条例案にどのように盛り込むかは市長が判断するとした。 
相模原市人権施策審議会の議論がへイトスピーチ規制に罰則を設けることでまとまった。
市内では、何より公平公正が求められる選挙でさえ差別の舞台に悪用するヘイト団体が活動を続ける。
2019年の統一地方選に始まる異常事態に歯止めをかけるべく、悪質な加害と深刻な被害という実態に見合った結論といえる。 
日本第一党の活動は川崎市のような罰則条例が広がるのを妨害する狙いで、差別を目的にしている。審議会の韓国籍委員の女性を標的にしたのも、条例の議論が不当であるかのようにねじ曲げ、排斥のメッセージを振りまくためだ。 
デマと差別扇動は選挙演説でも続き、駅前などでの個人攻撃は昨年11月から少なくとも24回を数える。
インターネット上を除けば、名指ししたヘイトスピーチでこれほど執拗(しつよう)な差別行為は相模原市以外ではほとんど類を見ない。被害は女性一人にとどまらない。
ヘイトスピーチは属性を理由にした攻撃であるため、同じ属性の人々は攻撃してよいという差別を拡大強化させ、ヘイトクライムの暴力を誘発する。
同時に、いつ誰から攻撃されるか分からないという恐怖をマイノリティーに刻み付け、平穏な日常を破壊する。
実際、わが子にまちなかでは韓国・朝鮮語を使わないよう言って聞かせなければならない在日コリアンの家庭がある。出自を隠すことを強いられ、生き方さえもゆがめられている。 
規制すら設けないようでは、条例がうたう「人権尊重のまちづくり」も、市が掲げる「多文化共生」「誰一人取り残さない持続可能な社会」も絵空事に終わる。理念条例にとどまれば、レイシストは「政治活動」の成果を誇り、勢いづく。
罰則が必要との結論は、川崎市がそうだったように、教育啓発では全く対処が不能という底なしの悪意と現実を踏まえたものともいえる。 
市内では暴力沙汰まで繰り返す「日の丸街宣倶楽部」や差別をあおるデマをまき散らす「相模原を護(まも)る会」も活動している。
来春の市議選には第一党や元第一党のレイシストが立候補を表明している。罰則の適用を凍結する可能性も付記しているが、それが悠長に映るほど、差別を断固許さないという旗印を打ち立てる罰則条例は必須で急務だ。
先の参院選では、相模原市や朝鮮総連の前ではヘイトスピーチ丸出しの街宣をしていた日本第一党が、罰則規定のある川崎市ではヘイトスピーチをトーンダウンさせていたことが、人権条例に罰則規定が必要ということの証左に他ならない。
本村相模原市市長も、参院選での日本第一党の街宣活動に名を借りたヘイトスピーチを許さないという姿勢を示したので、実態に基づく人権条例が成立することを期待したい。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

0コメント

  • 1000 / 1000