フェイク 立場を超えた男同士の絆に泣ける潜入捜査官映画 その1

78年、ブルックリン。FBI捜査官ジョー・ピストーネ(ジョニー・デップ)は囮捜査官として、マフィア組織に潜入することを命じられた。彼の潜入名はドニー・ブラスコ。
マフィアとの接触を狙っていた彼が最初に近づいたのは、末端の気さくな男レフティ・ルギエーロ(アル・パチーノ)だった。
当時、マフィアファミリーは、リトル・イタリーを拠点とするソニー・レッドの組と、ブルックリンを拠点とするソニー・ブラック(マイケル・マドセン)の組と、2つの組が対立して存在していた。
後者に属していたレフティは、忠実に仕事はこなすものの運にはまるで見放され、ボスへの上納金に四苦八苦し、出世とは縁がない男だった。
そんなシケた暮らしの中に現れたのがドニーで、レフティは聡明で行動力に溢れた彼との出会いに、諦めていた昇進の夢を再び抱くようになる。
また、誠実な彼にドラッグに溺れる息子の姿を重ね合わせ、単なる弟分を超えた愛情を感じ始めていた。
レフティは、ドニーを組の上層部に紹介したり、ことあるごとにマフィアの掟を教えるなど、親身に世話を焼く。
そんなレフティを足掛かりに、ドニーが仕掛けた盗聴器やビデオテープは定期的にFBIに渡され、作戦は着実に成果を挙げていた。
一方で、マフィアとして暴力に加担するなど、ドニーとジョーの2人の人間の境界線は少しずつ曖昧になっていく。
たまに家に帰っても、娘たちは口をきいてくれず、妻のマギー(アン・ヘッチ)とは口論が絶えない。
仕事の重責の中、彼の私生活の歯車は次第に狂い始めていた。 
ジョニー・デップが演じるドニー・ブラスコは潜入捜査官であるが故に家族との関係が上手くいかず、マフィアへの潜入捜査のために近づいたレフティと男の友情を強めていく過程が、リアリティ溢れる描写で描いてあって、ギャングの縄張り争いや上納金を納める苦労など実録物としても、任務を超えた強い男の友情で結ばれた男の映画としても楽しめる映画です。
アル・パチーノ演じる落ち目のベテランギャング・レフティのしょぼくれている中にも仁義に篤い男っぷりに惹きつけられるし、マイケル・マドセン演じる狂気のあるマフィアのボス・ソニーも、いい味出しています。
ラストのアル・パチーノがジョニー・デップを仲間に引き入れた責任を取らされて殺される前に、奥さんに託した「お前だから許せる」という遺言は、男同士の強い絆を感じて、泣けます。

daiyuuki 全身当事者主義

全身当事者主義。ワーキングプアや毒親やブラック企業などのパワハラやモラハラに苦しみ戦い続けてきた立場から書いた、主にメンタルヘルス、LGTB、ヘイトスピーチ、映画やライブのレビューなどについてのアメブロの記事から、厳選して共有していきたい記事だけ、アメブロと連携します。 クリエイターリンクは、こちら↓ https://lit.link/daiyuuki

0コメント

  • 1000 / 1000