呪いの言葉の解きかた 上西充子
政権の欺瞞から日常のハラスメント問題まで、隠された「呪いの言葉」を2018年度新語・流行語大賞ノミネート「ご飯論法」や 「国会PV(パブリックビューイング)」でも大注目の著者が
「あっ、そうか!」になるまで徹底的に解く!
「私たちの思考と行動は、無意識のうちに「呪いの言葉」に縛られている。そのことに気づき、意識的に「呪いの言葉」
の呪縛の外に出よう。
思考の枠組みを縛ろうとする、そのような呪縛の外に出よう。
のびやかに呼吸ができる場所に、たどりつこう。
――それが、本書で伝えたいことだ。」
長時間労働やサービス残業やパワハラやセクハラや無理な要求などに声を上げる者に対して「嫌なら辞めれはいいんだ」という雇用主の呪いの言葉は、声を上げた労働者に「声を上げた側に問題があり、そんな要求はワガママだ」と責め労働者を黙らせる呪いの言葉。
そういう呪いの言葉を言われ続けていると、「気持ちよく現場の空気を壊さないために、雇用主に要求したりせず黙って仕事すればいい」というふうに労働者が我慢するように内心から仕向けられる。
だが偏った負担を強いる職場環境の問題は、残ったまま。
だから労働組合や労働基準監督所などの助けを借りて、雇用主に問題改善の要求した方が職場環境が良くなる。
虐待する母親や父親に共通しているのは、「母親だから父親だからしっかりしなさい」という呪いの言葉に追い詰められ、養育費をもらえず子供の育児が大変でフルタイムの仕事をすることが難しく経済的に追い詰められ家族に助けを求められなかったことが背景にある。
だから援助を求めることが、ハードル低くなるような法整備をする必要がある。
「なぜもっと頑張れないのか」という呪いの言葉に追い詰められ、「出来ない」と言えずに状況打開出来ず「仕方ない」と状況を背負い込み、過労死したり育児のストレスを子供に向けて虐待したりDVパートナーから逃げられなかったりしてしまう。
それを防ぐために、自分の問題を開示して家族や社会保険などの企業福祉や社会福祉の援助を受けることが状況打開し悲劇を回避することが出来る。
安保法制の頃から様々な課題のデモに市民が参加するようになって、政府支持派から「デモに参加すると就職出来ないよ」「お上に逆らったらダメ」と呪いの言葉をかけてくる奴らが増えたけど、デモする権利は日本国憲法第12条の「憲法が国民に保障する自由や権利は、国民の不断の努力によって保障されなければならない」を元にしたことなので「デモは国民の権利行使すること」と言い返せば良い。
巻末には様々な「呪いの言葉」に対する言い返し文例集が記載されていて、「呪いの言葉」に絡め取られないように風通しの良い世の中にするためのお守りのような1冊。
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